年齢を重ね、「体力が落ちた」、「食が細くなった」などと感じることはありませんか?高齢者の場合、体力の低下や食事量の減少が続くと、介護が必要な状態に移行する可能性があります。健康な生活を送るためには、体力の低下や栄養不足を防ぐことが重要です。高齢者の栄養や体力などと関係の深い、サルコペニア・フレイルという言葉をご存知ですか?。

●フレイルとは?
『フレイル(Frailty)』とは日本老医学会が提唱している概念で、加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態、介護が必要となる前の段階で、筋肉や身体機能の低下のほか、疲労感や活力の低下なども含みます。高齢者の筋力や活動が低下している状態(虚弱)を指します。筋肉の減少に着目しているサルコペニアも、フレイルの一因となります

●フレイルの一因、サルコペニアとは?
「サルコペニア(sarcopenia)」は筋肉減少症とも言われ、ギリシャ語の「筋肉」を表す“サルコ”と、「喪失」を表す“ペニア”を組み合わせた言葉で、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態のことをいいます。転倒・骨折、寝たきりなどの原因にもなるため、十分な栄養の摂取や、体力維持・筋力増加のための運動により、サルコペニアを予防することが重要です。フレイルの最たる要因でもあり、要介護の入り口にもつながります。

全身のサルコペニアは、全身の筋肉や筋力の低下につながり、身体機能の低下につながります。筋肉が衰えると運動量が減り、食欲がわかず不十分な栄養摂取につながるおそれがあります。
口腔のサルコペニアは、咬合力の低下、舌運動の低下、食べる量の低下といった口腔機能の低下等による摂食・嚥下障害は、低栄養との密接な関連があります。口腔機能の改善を図り、全身のサルコペニアを悪化させないようにしていく必要性があります。
全身の筋肉が低下すれば寝たきりにつながり、口腔におけるサルコペニアが起きれば食べる機能の低下につながります。実際、口の中は筋肉の魂と言えます。加齢とともに、「舌」や「唇」や「頬」などの筋肉も痩せていくのです。

≪口との関係≫
口の中の歯や舌、唾液などは「食べる」「飲み込む」ことに必要不可欠です。しかし、歯を失うと栄養を摂取する量も減少するだけでなく、たんぱく質の分解効率の低下によって吸収能力も落ち、その結果、栄養状態は不良に陥りやすくなります。
また、高齢期の摂食・嚥下障害の原因は、脳血管疾患や精神障害、口腔内の病気など多岐にわたりますが、摂食・嚥下に関わる筋肉のサルコペニアも原因の一つです。食べ物を咀嚼する力や、食塊を舌でまとめる力、送り込む力、飲み込む力などが低下して食べ物をうまく飲み込めなくなり、誤嚥性肺炎などのリスクも高くなります。

≪口腔環境と口腔機能≫
加齢とともに口の中には変化が現れますが、まず、虫歯や歯周疾患の予防を中心に義歯も含め、しっかりと噛むことにできる口の状態を整えましょう。また、舌やくちびるの筋力を鍛えるなど、口腔機能を維持向上させ、口のサルコペニアを予防することが大切です。健康で、いつまでも自分の口で美味しく食べることを目指しましょう。