なかなか急には止めさせるのが難しい子供の指しゃぶり。「指しゃぶりによって悪い影響があるのではないか」「やめられなくなってしまったらどうしよう」と心配されている親御さんは多いのではないでしょうか。確かに指しゃぶりのような習慣が長く続けば、歯並びへの影響が心配です。しゃぶる指の種類やしゃぶり方にもよりますが、指しゃぶりは続けるほど歯並びや噛み合わせに影響が出てきます。
歯並びが悪いまま成長してしまうと、見た目も気になりますが話し方が、変ったり、食べ物をよく噛めなくなってしまうなどお口の機能にまで影響してしまいます。

●指しゃぶりが歯並びやお口の機能に与える影響

指しゃぶりをすると歯やあごに強い力が、毎日多数回、毎回数十分ずつ、加わっていることになります。とくに睡眠時には数時間連続して指しゃぶりをしていることが多く、トータルで加わる力はとても大きなものになります。口や顔に大きな成長変化がみられる5歳過ぎまで、指しゃぶりの力が加わり続けると歯並びやあごの変形につながります。また、指しゃぶりでお口の形態が変化してしまうと、呼吸、発音、噛む、飲み込むなどのお口の働きも正常に機能しなくなってしまうことが多いのです。

≪前歯が噛みあわなくなる(開咬・かいこう)≫
開咬とは、上下の歯をかみ合わせたとき、前歯の間に隙間があいていて、かむことのできない状態です。指しゃぶりの時に上下の前歯で指を噛んでいるため、この隙間ができやすくなります。

≪出っ歯になる(上顎前突・じょうがくぜんとつ)≫
しゃぶっている指が上の前歯を持続的な力で押していることが多いため出っ歯になってしまいます。

≪上下の奥歯が横にずれて中心があわない(交叉咬合・こうさこうごう)≫
指を吸うと、頬の筋力で奥歯が内側におされ、上の歯列の幅が狭まります。それによって下の歯列との大きさのバランスが崩れ、かんだときに前歯の中心が合わなくなります。

≪舌たらずな話し方になる≫
指しゃぶりにより上下の前歯の間に隙間ができてしまうため、話している時に舌が突出して舌たらずな話し方になります。サ・タ・ラ行が上手に発音しにくくなり、唾液も飛びやすくなります。

≪クチャクチャと食べるようになる≫
前歯で物が咬めなくなり、口を開けたままで、音をたてて食べることが多くなります。また、前歯の間から舌を押し出すように食べ物を飲み込むようになります。

≪口呼吸になる≫
出っ歯になったり前歯が噛みあわない開咬(かいこう)になったりすると、口が閉じづらくなっていつも口をあけているようになります。口呼吸は、指しゃぶりの習慣だけでなく、鼻の疾患により鼻呼吸がしにくい場合もおこります。

まだ乳歯しか生えていない3歳くらいまでの指しゃぶりであれば永久歯の歯並びには影響しません。5歳を過ぎても止められていないと、あごの骨格に影響してしまうことがあり、永久歯に生え変わるときにも同じように歯並びが悪くなってしまうことがあります。大人の言うことをある程度理解してくれる3歳頃から少しずつ止めるよう働きかけを始めましょう。4歳半~5歳までに指しゃぶりをやめられれば,乳歯の歯並びが悪くなっていても、永久歯の歯並びは正常に戻る可能性があります。指しゃぶりは,永久前歯の生え替わりまで持ち越さない方が良いでしょう。

どうしても治らない場合は、かかりつけの小児科医や歯科クリニックに相談をして、指しゃぶりのやめさせ方の方法を訊くことをおすすめします。