トリクロサンとは多くのハンドソープや歯磨き粉などに含まれている殺菌剤です。

2016年9月FDA(米国食品医薬品局)は、殺菌剤(トリクロサン、トリクロカルバンなど19種類)入り抗菌せっけん(日本では「薬用石けん」で販売)の販売を禁止すると発表しました。なぜかと言うと、「トリクロサンが普通の石けんや水よりも抗菌効果に優れているという証拠はない」と言うことです。

トリクロサンは、経口・皮膚を経由して簡単に体内に浸透する性質があります。尿・血液・鼻水・母乳などからトリクロサンが検出されています。母乳からも検出されているということは、母親から子どもの体内にも移動する可能性があるのです。経口・皮膚などから浸透したトリクロサンの成分は体内にある程度残留します。その残留したトリクロサンが、環境ホルモンとして働きます。
 環境ホルモンは、正常な働きをするホルモンの働きに影響して、色々な異常を引き起こします。トリクロサンには、ホルモンかく乱物質が含まれているため、免疫システムに害をおよぼしたり、発がん性などの毒性についての研究結果が報告されています。子供の尿中のトリクロサン濃度を量った結果、トリクロサンの濃度が高い子供ほどアレルギーやアレルギー性鼻炎である率が高かったという報告や、マウスにトリクロサン・トリクロカルバンを投与した結果、トリクロサンを体内に取り込んでいないマウスと比較して肝細胞がんの発症率が高くなったという報告もされています。

トリクロサンは現在、殺菌効果をうたっている石鹸などで最も広く使われている殺菌剤ですが、いわゆる「殺菌ソープ」も普通の石鹸も、20秒かけて洗えば除菌効果は変わらないとされています。

歯磨き粉も、普通の歯磨き粉でいいので時間をかけてしっかり歯磨きを行うようにして、歯と身体の健康を守りましょう。