入れ歯安定剤

2015年に、入れ歯安定剤を使用した男性が自動車で通勤途中の呼気検査で、基準値以上のアルコールが検知されたことで、起訴された事件がありました。男性は「入れ歯の安定剤に含まれるアルコール成分が呼気検査に影響した可能性がある」として、処分取り消しを求め、控訴審で逆転無罪の判決が下されています。

多くの種類の入れ歯安定剤が市販されていますが、その中には、今回の事件で問題になったアルコールを含むものもあります。

入れ歯安定剤の中でもクッションタイプのものには、エタノールなどのアルコール成分を含むものが多く、今回の事件で問題になったのもそのタイプのものであろうと、徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野の岩脇有軌先生と市川哲雄先生が、201810月の日本歯科評論に論文を寄せていらっしゃいました。

そもそも適合の良い安定した入れ歯であれば、安定剤を使う必要ありません。今回の事件の場合は、どのような口腔状態でどれほどの量の入れ歯安定剤を使用したことによってアルコールが検出されたのかは不明ですが、いずれにしろ、安定剤が必要な入れ歯を使用していたから起きた事なのです。

適合の悪い入れ歯の場合は安定剤に頼らずに、入れ歯の修理や作り直しを検討することが良いと思われますので、歯科医院に相談することをおすすめします。